悩みに悩んだ末


俺は結局、答えを見つける事が出来ないまま




この日を迎えてしまった





「どうしたんですか、隊長?いつにも増して
眉間の皺が深いですよ??」



十番隊執務室
仕事の最中に、冬獅郎の機嫌が
悪くなるのはよく有ることだが

この日の副隊長は、珍しくきちんと
仕事をこなしている為
どうやら別の事で頭を悩ませて居る様だ




「何か悩みでも…?あたしで良ければ聞きますよ?」



珍しく真面目そうな顔をして
心配する乱菊を、小さく確認すると


冬獅郎は重い口を開く





「……女は何を贈れば喜ぶ…?」



隊長からの予想外の質問に
乱菊は目をぱちくりさせている



「…聞いてんのか、松本?」



冬獅郎の冷たい視線に、はっとして
乱菊は驚いた顔のまま答えた





「すみません。隊長の口からそんな言葉が出て来るなんて
予想も出来なくて。…で、何くれるんです?!
高ければ高いほど、あたしは喜びますケド?」



「……誰がお前にやると言った…」





やはりこいつに聞いたのは
大いなる間違いだったか…

冬獅郎はあきれるばかりだ




「え?違うんですかぁ?…ちっ…」


「松本…お前今、何か言ったか?」


「い、いえいえ、何も。あっ、もしかして今日の…?」




珍しく乱菊が、さっさと仕事を終わらせようと
仕事に精を出していたのには
理由が有った


それはこの日、の誕生日だったからだ


早く仕事を済ませて、皆で祝おうと
言い出した張本人が
一番忘れているのはどういう事だか


冬獅郎は大きな溜息を一つ吐いた



この地で再び廻り逢って
の誕生日を、共に過ごして
祝ってやるのは

冬獅郎にとって初めての事



一月程前からこの日まで
祝いに何を渡そうか
散々悩み抜いては見た物の

考えれば考えるほど分からなくなり


結局決められないまま
当日を迎えてしまっていたのだ




「ちなみにあたしがあげるのは、これっ!」




どこから出したか、乱菊はへの贈り物を
自慢げに冬獅郎に見せる

それは大きな茶碗の様な物が二つ
管を通して、だらりとぶら下っていた
何かの機械らしい



「…なんだコリャ…」



「ええっ?!知らないんですか隊長!
これは乙女の憧れ、あたしの様になれる
豊満なおっぱいを作る為の、奇跡の機械ですよ!
これさえあれば、隊長も喜…うおぅっ!!?!」




まるでどこかの、通信販売に出て来る
店員の様な乱菊の、言葉巧みな説明を
最後まで聞き終えるまでも無く

その機械は冬獅郎の、かかとによって
あっさりと却下される




「壊れたこれの代金は、今月の給料に上乗せしとく。
…お前に聞いた俺が、やはり間違ってたらしい
気にせず仕事を続けてくれ」



「酷いっ!あたしは隊長の為に!!
…いや、何でも有りません」




刺すような冬獅郎の視線に
乱菊は渋々、原型を留めない機械の
掃除をしながら

ふと自分の胸元で光り、揺れる
鎖のついた指輪へと
目をむけた



乱菊のほうきを持つ手が
少しの間止まる





「ねぇ隊長…好きな人から貰うモノって
ホントは形なんて、無くていいんですよね」



「…ああ」



「ココロがそこに有るなら…何あげたって
あの子は喜ぶはずよ?」




それは冬獅郎にも解っている

解っているからこそ


こうして仕事で自分が離れている時でも
が、不安にならずに済む様に


何か俺に出来る事が有れば、いいんだが…




冬獅郎が繭をしかめながら
再び筆を走らせる

乱菊は小さな溜息を混ぜて、優しく笑った




「あ〜ぁ。あたし今日すっごく仕事しないと
最悪な運勢になるって、占いに書いてあったっけかなァ?
隊長、あたしの幸せの為にその仕事貰えません?」



乱菊は両腕を天井むかって
うんと伸ばして背伸びをすると

冬獅郎の机の前に立って、書類の束を取り上げる




「…松本、お前?」



「さっ隊長、あたしの気が変わらない内に
行った行った〜!」



「おい、ちょっと待て!」




冬獅郎の返事を待たずに
乱菊は冬獅郎の首根っこを掴んで
軽く持ち上げると

片手で窓をばんっと開ける



嫌な予感がする…


いや、これは予感ではなく確信だ





「松本、おいっ!ここは二階だ!!」

「七時に十番隊舎に集合です。じゃっ!
行ってらっしゃ〜い!」




問答無用と乱菊は
冬獅郎を窓から投げた

勢い良く空中を飛びながら、冬獅郎は
乱菊にむけて叫ぶ




「減給だっ!!馬鹿やろう!」




「あら?あたしの借りは高い筈ですよ〜」




きれいに着地する冬獅郎に
大きく手を振って乱菊は笑う




「あっ、隊長!」


「何だ…」



「婚約指輪とかいいんじゃないですか?」




冬獅郎はかなり怪訝そうに、乱菊の顔を見上げたが
その言葉に、思わずなるほどと
うっかり言いかけて

慌てて背を向け、一言



「…悪いがまかせたぞ、松本」



「頑張ってね、隊長」



何故が、乱菊を副隊長に選んだのか
いつも頭を悩まされる冬獅郎にとって
理解出来ないで居たが


ほんの少しだけ分かった気がした

















この日の十番隊の夜は
他のどの隊よりも賑やかだった




もとより温厚な性格で
人望を集めていただったが
王族や四楓院家から

籍を抜け出せたお陰で

誰もが超えられなかった、地位と言う名の
壁が取り払われて


以前に増し、皆が寄って集まる





「日番谷隊長は、どこ行ったんスかね?」


「まさか…隊長ったら、まだ何あげるかで
悩んでんじゃないわよねぇ…
で、恋次。あんたへの貢物は、持って来たでしょうね?」


「ああ。ってオイ!なんであんたが開けんだよ!!」




六番隊副隊長が隊長と共に用意した包みを
乱菊が面白がって開ける




「おっ、眼鏡の銀蜻蛉!…て言うか
これをが使う所、想像出来ないわ…
それならあたしが貰うべきよね?」


「ちょっと待て、すんげー高いんスよこれ!
朽木隊長が九割五分出して買ってんだから
壊さないで下さいよ!!」



白哉か恋次、どちらが選んだものか
なかなか渋い色つきの眼鏡を
乱菊は興味津々にかけてみる

すると眼鏡の向こうから
さらに渋い色つき眼鏡をかけた人物と
大きな体格の人影が

揃って隊舎に入って来た




「おう松本、よう似おぉとるのお!」


「あら、射場さん。これお揃いね」


「一回朽木隊長に斬られて下さい…
つーか肝心の主役は?…あ、鉄さんあそこ!」



恋次はそこら中に溢れかえる隊員達を
ざっと掻き分けて
を見つけて、遠くを指差した





宴会場と化した十番隊舎で
皆が集まってくれる事が嬉しくて

は、次々にやってくる皆の
夕食を作ってはせっせと運んでは
自ら世話を焼く最中だった

他の隊員達に促され
七番隊の副隊長に気付いた

嬉しそうに手を振った




「鉄!来て下さったのですね、ありがとう!」


「すまん姫、そがぁな事は
自分らがやるけぇ、座ってつかぁさい。
…われらぼさっとしてんで、手伝わんか!!!!」




どすの利いた八番隊副隊長の声は

すぐ隣に居る大きな身体の狛村よりも
有る意味、効果てきめんだ


先に到着し、酒盛りを始めていた隊員達や
各隊の副隊長、隊長である京楽までもが

飛び上がって背筋を正す




「困ったもんじゃの隊長…ってええっ?!」



射場の視線の先では狛村が
に跪き、鉄笠越しに
頭を撫でられている

の腕には、小さな猫の
縫いぐるみが抱かれていた

どうやら狛村がに贈った物らしい




はとても嬉しそうに礼を言う
 



「かわいい…ありがとう、コマっ!」


「「「こ、コマって!!!」」」




礼を言いながら、差し出しされたの掌に
狛村は、ぽんと自分の手を乗せる
するとはまた、子供のように微笑んで


鉄笠越しに、狛村の頭を撫でる



まるで犬と飼い主の様なやり取りに
そこに居た一同揃って
しばらく解けない謎を抱える事になる




「隊長と姫、仲えかったんじゃの…?」


殿は総隊長殿の孫娘みたいなものだ
仲が良いと言うよりは、つい本能でな」


「ほ、本能っスか?!?」



鉄笠の下の素顔を知って
彼らの謎が解けるのは

暫く先になりそうだ



それぞれが思い思いの品を持ち寄って
贈り物が山積みになる中
賑やかな隊舎を

より明るくする声が通る



「おーい、ー!待たせてすまん」



その声を聞きつけ、人ごみを掻き分けて
真っ先に飛んで来たのは
では無く

十三番隊第三席の二人




「隊長遅ーい!!」

「遅ーいであります浮竹隊長!」



すっかり出来上がっている彼らに
浮竹はやれやれと頭を垂れる




「おいおい。お前達が放り出した仕事を
片付けるのに今までかかったんだぞ?
俺の代わりに隊舎へ戻ってくれよ」


「「隊長ずるーい!」」



ごねる清音と仙太郎を
どうにか宥めて帰し
浮竹はの所までやって来た


「おめでとう、


「来て下さってありがとうございます、浮竹様」



柔らかに微笑む
すこぶるご機嫌な様子の浮竹とは反対に
ひきつった表情の視線が一斉に

浮竹の抱えた、一際大きな包みへと注がれる




(あれがうわさの?!)

(ああ、おそらく間違い無い!)




ざわつく隊員達を気にも止めず
浮竹は大きな包みを
の前に、どんっと置く




「これは俺からの祝いだ!さぁ開けて見なさい」


「…?」


大きな贈り物を包む布地を
が、不思議そうに解いて行くのを


隊舎全体が息を呑んで見守った



「あら…わたくし…?」



隊舎内の空気が固まる

包みを解いて、その姿を現したのは
等身大人形だ




「どうだ、良く出来てるだろう!今回は
技術開発局も進んで作ってくれた。
力作らしいぞ?」


「ありがとうございます、浮竹様」





にこにこしている二人を余所に
他の者達の反応は


悲しいほど寒い




「なぁ吉良…。俺、浮竹隊長が
何でフラれたのか、今分かった気がしたぜ…」


「僕は今日ほど浮竹隊長を
恐ろしいと思った事はありませんよ…」




頷き合う檜佐木と吉良の後ろでは
四番隊第三席が

何やら卯ノ花に相談中だ




「卯の花隊長、あれと同じ物を
救護詰所へ均等に配置すれば、かなりの
効果が得られるのでは無いでしょうか?」


「それはどう言う意味ですか、伊江村?」


「いたる所に卯の花隊長がいらっしゃれば
怖くてサボる人員が減り…」




卯ノ花の笑顔が伊江村へと注がれる

それは浮竹が贈った等身大人形への
皆の反応よりも、恐ろしく冷たい物だった




「いえいえっ!!真面目に仕事が出来て
いいだろうなぁ〜と思いましてっ!!!」



「あら…心拍数が上がって居ますね。
具合が悪いといけませんから
詰所へ戻って、診察しましょう」



伊江村の悲痛な叫びも空しく
卯ノ花はに会釈して
隊舎を後にした



見れば見るほど実写的な人形に
まるでが二人
そこに居るような錯覚へ陥りそうになる


傍迷惑な浮竹の贈り物の存在に
痺れをきらせて動いたのは乱菊だ




が二人いて、喜ぶのは浮竹隊長ぐらいですよ、もうっ!!」



うっかり本物を担ぎ上げそうになって
乱菊の苛立ちは倍増する

動かない人形だと解っては居ても
怒らせた時の
誰にも手に負えない程、恐ろしい事は


他の誰より知っている




温かく包み込むような霊圧を纏い
微笑んでいる本物のと違って

凛として、真っ直ぐ前を見据え
刀に手を添えるの人形は


今にも凰華を放ちそうだ


べそを掻きながら人形の、着物の裾を掴んで
引き止めようとする浮竹を踏み超えて
乱菊は、隊舎の門の前まで来ると


ふと何かを企んだ




「ここまで似てると、本人と
間違える馬鹿も、どこかに居るかもね?」



(それはそれで、面白いから…ここに置いとこっ)






一人肩を落とす浮竹を除いて
隊舎では、何事も無かったように
宴が続いていたが


だけは、しきりに時計を気にしていた




時計の針は、十時を指し示す




は空の器に一通り酒を注ぐと
すぐ横にある炊事場へと、席を立った



皆の夕食にと作った物を
丁寧に重箱に詰めて

唯一、酒に飲まれて居ない七緒を呼んだ



「少し席を離れます。お任せ出来ますか?」




の腕の中の重箱を見て
この場に居るはずの人物の不在と
が、何をしようとしているのかを悟って


七緒は穏やかに笑って、頷いた




「酔っ払いをあしらうのは、日課なので慣れてます。
私に任せて、行ってあげて下さい」



「ありがとう」




は炊事場の裏口から、隊舎の外へと走る


誕生日を共に過ごしたいと
思ったからじゃない




あなたが一人

何かを頑張っている気がして



何も出来ないかもしれないけれど
傍に居てあげたい



ただ純粋にそう思い
執務室を目指す


長い廊下を抜けて、見える執務室の扉からは
僅かに明かりが漏れている


小さく二回扉を叩いて扉を開く




「冬獅郎さん、お疲れ様です。
差し入れの夕食を………??」


「隊長…あ、いや今はサマですね、すみません」



そこに居たのは冬獅郎ではなく
十番隊第三席だった

隊長、副隊長の留守を任され
代わりに執務をこなしていたらしい





「えっと…あの、お疲れ様です。冬獅郎さんは…」


「日番谷隊長なら、何かの用事で昼前に
お出かけになったきりですが」




冬獅郎がに何も知らせず
どこかに行く事は
非常に珍しい

は不安そうに、一瞬顔を曇らせたが
第三席に心配をかけまいと

すぐに笑顔を戻す




「一人で大変だったでしょう。
お手伝い致しますわ」


「駄目です、座ってて下さい。
日番谷隊長ならきっと、そうおっしゃるでしょう?」



第三席とは、短い間とは言え
が隊長を務めた期間も
隊を支え合った仲だ

隊長を退いても、変わらぬ第三席の
心遣いが嬉しかった





「ありがとう。それでは、冬獅郎さんの代わりに
これを食べて下さいと、わたくしがお願いすれば
あなたを休憩させてあげれる理由に、なるかしら?」



そう言うとは、応接用の長椅子に腰掛けて
持って来た重箱の包みを広げると
第三席へ差し出し、優しく笑った



「全く…。敵わないですね」



の笑顔に第三席は
走らせていた筆を止め
のむかえに座り、箸を受け取った






一方その頃


宴会の最高潮をむかえる隊舎では
未だに姿を見せない冬獅郎を
乱菊が不思議に思っていた




「隊長ったら…まさか逃げ出したんじゃ、無いでしょうねぇ…」


「えっ!?日番谷隊長
仕事で居ないんじゃないんスか?!」



恋次の問いかけに乱菊は
酒を瓶ごと、一気に飲み干してから
気だるそうに答える





「隊長ったら、普段はあんなにボンクラな
お子ちゃまなのに…」



「おぁっっ!!ちょ、ちょっと乱菊さん!」



嫌な予感がして、恋次はふと
窓の外を見て飛び上り蒼褪める

再び酒の入った瓶を手にとる乱菊を
大慌てで止めに入るが


酔った乱菊は早々に止められない




の事となると急に
大人の眼に変わるのよねぇ…」



「…オイ。そのボンクラってのは
……俺の事じゃねぇだろうな…」




「ぎょぇえええ!!!た、隊長?!」



乱菊の酔いが氷点下に下がり
一気に醒める


明らかに動揺し、両手を振り回しながら
妙な踊りを披露する乱菊に
大きな溜息を吐きながら

冬獅郎は窓枠を蹴って
隊舎の中へ入る




「た、た、隊長?えーっと窓から入るなんて
行儀悪いですよ?」



「…。お前にだけは言われたかねぇよ…」



よほど急いで、ここまで戻って来たのだろう
冬獅郎の息は少し上がっている


いつもなら真っ先に、怒るで有ろう
宴会で散らかり放題の部屋を、気にも止めず

その視線はを探していた



冬獅郎に、いち早く気付いた
一人冷静な七緒が

の居場所を知らせようと、口を開いたが




「日番谷隊長!様は、執っ…むぐぐっんーー!!」


乱菊の掌が、七緒の言葉を遮った




「隊長ここへ来るのに門くぐりました?」


「いや、壁を越えて来た。急いでたからな」




ふむふむと頷いて
乱菊の口元が緩む



「隊長が帰って来るの、あの子ずっと
門の前で待ってますよ〜?」



乱菊の表情は
誰がどう見ても疑わしい

しかしここに居ないのは事実だ




「ホントだろうな…」



「行けば解りますって!ほら早く」




どこか、腑に落ちない様子の冬獅郎だったが
ここに居ても、戻って来た意味が無い


振り返らずに、隊舎を後にして
真っ直ぐに門を目指す





「松本、は門
の前か?!よし、俺も行こう!!」


「あ、ちょっとまって、浮竹隊長。あたしも行きます。
それと、行くならこれを…」




乱菊がほろ酔い状態の浮竹に
手渡したのは、双眼鏡


どうやら距離を置いて
二人の様子を観察する魂胆らしい




「相変わらず用意がいいな!いい副隊長になれるぞ?」

「あら?お褒め頂き光栄だわ」







何やら面白そうだと、着いて行く
他の副隊長達に呆れて物も言えず

七緒は頭を抱えて、長い溜息をもらす



一体誰が子供か解らないと、嘆きながらも
傍を通りかかった十番隊の隊員を捕まえて
お馬鹿な事態を収拾すべく


執務室に居るへの言伝を頼んだ



「出来るだけ急いで!」

「はいっ!!」














門の手前まで走って
冬獅郎はの、後姿を見つけて
足を止める




夜も深まり、うっすらと覆う霧が月を隠して

通り過ぎる風を
より冷たく感じさせていた




いつもと違い、の背中からは
穏やかな霊圧が感じられない

長い時間自分を待っていたから
怒っているのかと


それは冬獅郎を戸惑わせる




…」


冬獅郎の声にも
そこに佇むからの返事は無い



「…悪ぃ。思いの他、梃子摺った」




いつもなら、どんなに遠くからでも
自分を見つけると
誰より先に飛んで来て、幸せそうに微笑む

振り返ってもくれない事に
冬獅郎の心は小さな痛みを覚えた


へかけてやる、上手い言葉が見つからず
気まずい沈黙が続く中


冬獅郎は、ばつが悪そうに
地面の方へと視線を逸らす





一方そこから、高く離れた十番隊隊舎五階では
明かりを付けず、真っ暗な部屋の窓辺に

死装束を纏った死神がずらりと並ぶ






「あれが役に立つ事が有るなんて…
ちょっと見直したっスよ。浮竹隊長!」



「しっ!修兵、ちょっと今いいトコ何だから
静かにしなさいよ」



「むっ!!たとえ人形でもには指一本
触れる事は許さんぞ…」



「んー?見えないねぇ。もうちょい詰めろよ浮竹」




護廷十三隊の隊長副隊長が
押し合いながら、各々双眼鏡片手に

等身大人形と話している
十番隊隊長を覗く姿は


どちらも相当、奇妙な光景だ





「…技術開発局の連中、かなり腕を上げたようじゃな」




一番右端の窓辺で、双眼鏡を持つ老人が
ぽつりと呟いた

一同声無き声をあげて飛び上がる




(((ええっ!?総隊長?!?!!!)))






総隊長が言った様に、冬獅郎が
本人と解らないのにも理由が有った


目の前の人形には
の羽根が一枚
密かに仕込まれていたのだ


誰もが気付かないだろうその存在に

冬獅郎だからこそ僅かに感じる
の羽根の気配が
冬獅郎にとっては逆に、仇となり


完全に、本人だと
騙されてしまっている




「どう祝ってやればいいのか…
なかなか思いつかなかった」




二人、いや正確には
一人と一体の人形の間に


静かな時が流れ
横切る柔らかな風は

冬獅郎だけが解る
優しい春の陽だまりの様な

羽根の香りを、冬獅郎に届けた



冬獅郎は自分の心が
穏やかになって行くのを感じて
人形にむかって歩き出す




「お前の機嫌が直るか解らねぇが…
これをに持ってて欲しい」



何かを握り締めた右手を
の背にむけて、冬獅郎は無骨に差し出した



その瞬間、一際強い風が吹き
の人形は、ぐらりと冬獅郎の方へ
向きを変える



…お、お前?!」



その表情に、冬獅郎は思わずぎょっとした


短刀に手を添えて
まっすぐにこちらを見据える
乱菊がそう思ったのと同じように


今にも凰華を自分にむけて
放ちそうだ




俺はを、そこまで怒らせたのか?




僅かにたじろぐ冬獅郎の目の前で
の人形が、続けて吹いた風によって


大きな音を立てて、勢いよく倒れ
ごろごろと門の外へと転がって行く



「?!」



目の前の光景に
冬獅郎は一瞬、血の気が引いて凍りついた



まさか自分を待ち続けたせいで
どこか具合が悪くなって
倒れたんじゃねえだろうな



そんな考えが、冬獅郎の頭を過ぎり
慌てて人形を追いかけて
走り出そうと足を踏み出した


まさにその時だ






「よかった…冬獅郎さんが無事に帰って
来て下さって…」





冬獅郎の背後から
聞きなれた穏やかな声がする


冬獅郎は踏み出した足を
どうにか止まって
はっと振り返る




「……?!」




冬獅郎がを、呼び終わるとほぼ同時
門の外へと転がって行った等身大人形は

階段を転がり落ちて弾みを付け
階段にぶつかる大きな音を、鳴らしていく


顔色の悪い冬獅郎を
心配そうに覗きこむ
本物だと確信した冬獅郎は

すぐさま門の外へ飛び出して
落ちて行った人形を見下ろし、確認した


一番下まで転がり落ちた人形は
見事な程ばらばらに砕け


元が何かも解らぬ欠片の山と、なっている





、ちょっと待っててくれ!十秒で戻る!!」





そう言うと階段を駆け下りて
残骸の中に光る物を拾い上げ、冬獅郎は
再び階段を駆け上る



少し早くなった鼓動に揺れる前髪と
広げた左手の中で光った


黄金色の羽根



には、何故それがそこに有ったのか
理由は皆目分からなかったが

今冬獅郎が、自分の羽根を取りに
走った事を知って

幸せそうに微笑んだ




「お前の誕生日に、ほとんど傍に
居てやれなかった…すまねえ」



気まずそうに、掌の羽根を見詰めて
呟く冬獅郎の前に立って
は言う



「この地に生まれ変って…冬獅郎さんと
また出逢えました。わたくしはそれだけで
本当に幸せです」




夜の冷たい風を消し去って
の両手が
羽根を持つ冬獅郎の左手を、温もりで包みんだ





何間違えて、悩んでんだ俺は



がこんなだからこそ



俺はお前が…





「生まれて来てくれて良かった」


「…冬獅郎さん…ありがとう」




礼を言うのは俺の方だ


冬獅郎は眼を閉じて
ほんの少し笑った



有って無い様な物だと思っていた
自分の誕生日とは


何故こんなにも重みが違うのだろう



一人きり生きていたなら
決して感じる事の出来ない想いが
互いの心に満ちる



がこの地に生まれ、再び出逢い
結んだ互いの絆に

感謝する日が一日位、有っても悪くない


そう言い聞かせるのは
高鳴る鼓動を抑えるための


まじないの様な物




冬獅郎は心地良い風を感じて
重い目蓋をゆっくりと開き

未だ晴れず、霧で曇る空を仰ぐ





、凰華飛ばせるか?」




その時、どうして?と問わなかったのは


あなたの望む事を


私に出来るすべてで
叶えてあげたかったから




「はいっ!」




そしてそれはいつだって



あなたが私の喜びに


変えてくれると知っているから





の声と共に
鞘から抜かれた斬魄刀は

黄金色の大きな鳥になり
長い尾羽を揺らして
二人の仰ぐ天蓋を高く舞い上がり



曇った空に、月明かりを導いた




、上出来。だが…霧は残して置けよ?」

「凰華を戻しましょうか?」

「いや、そのまま月と一緒に空を照らしてろ!」



にそう言うと、冬獅郎は
空を見上げたまま
柄に手を掛け霊圧を込める




戦いでは無い抜刀に
氷輪丸は、答えてくれるだろうか


そんな不安は不思議と考えなかったのは


が喜ぶ顔を

氷輪丸が拒む理由が無い


当たり前な位、俺は自然にそう思ったから





頼んだぜ?氷輪丸



冬獅郎はほんの少し笑って
斬魄刀を解放する


急激に大気の温度を下げながら
刃の示す空に向かって


氷の竜は高く飛んだ





、まだ近い!もっと上に飛ばせ!」


「はいっ!!」



夜空を照らしながら
舞い上がる凰華の後を、追いかける様に

氷輪丸は高く昇る




その様子を、ずっと双眼鏡越しに
覗いていた集団の中で

乱菊が顔色を悪くして、静かにぽつりと呟いた



「まさかあれ…こっちに撃つんじゃ無いでしょうねぇ……」


「いや、心配無い。二人ともまだ、こちらに気付いては居ないぞ」



うまく隠れている事が嬉しそうな
浮竹の横で、恋次が双眼鏡から目を離し

空に舞う竜と凰の姿を見上げた




「なんつーか……綺麗っスね…。俺の何か―」


猿と蛇だ…と肩を落としかけて
隣で浮かれる十三番隊隊長に
視線を変え、思い直す


魚よりましだ、と







隊舎の外では氷輪丸の霊圧により
十番隊近辺の気温は

息が凍るほど急激に下がっていた



凰華が通れば暖かくなり
氷輪丸が飛べば寒くなる

今十番隊の敷地に、足を踏み入れた者は
急激な気温の変化に
季節がいつなのか解らなくなり

完全に混乱するのだろう




冬獅郎の吐く息は澄んだ
夜空に白く映る



、凰華をそこで止めて、空照らしててくれ」


「はい!」



冬獅郎とは反対に
は温かな霊圧を込めた両手を

大きく広げて空に掲げた





、しっかり見てろよ?行くぜ、氷輪丸!!」




冬獅郎はその声と共に
斬魄刀を振り上げ、大地を蹴って

が見上げる空へと、高く跳んだ



「冬獅郎さん?!」




同時に氷の竜が牙を剥き
空に向かって、一際冷たい冷気を吐き出した


その瞬間、大気に溢れていた霧が
一斉に凍りついた



の前に着地した冬獅郎は
片繭を上げて、いつものように
眉間に小さな皺を作りながら、小さく笑う




「俺と氷輪丸と凰華からの、への誕生日祝いだ」



「えっ…」



冬獅郎を見詰めるの耳に
小さな鈴が重なり合う様な音が
聞こえた


冬獅郎は顎を動かし、眼を細めて
空を見てみろと、に合図する

は、はっと空を見上げた





月明かりと、凰華に照らされた夜空の中で


氷輪丸に冷やされた霧が
無数の細氷となって

はらはらと舞い降りる




はっきりとした氷の結晶が
二つの輝きを受け止めて

優しい光を放つ



「…なんて……綺麗……」



「俺の力加減だけじゃ、荒い氷にしか
ならねぇからな」



下がった気温を忘れてしまうほど
はこの神秘的な光景に
胸が熱くなった




「冬獅郎さん…氷輪丸、凰華、ありがとう…」




想いが溢れそうになるのを
言葉に変えて


はずっと空を見上げていた






「うわー綺麗っスね〜」

「隊長ったら、粋な事してくれるわねぇ!」

「やれやれ……敵わんな…」


同じ空を隊舎から見上げる集団は
双眼鏡を放り投げ

暫し時を忘れ
幻想の景色に見とれていた





降り注ぐ結晶に、白い手を差し出して
幸せそうに微笑むを見詰めて

冬獅郎もまた、幸せだと感じる




「…っと、氷輪丸にはもう一仕事
働いてもらわねぇとな」



傍に居たでさえ、聞き取れないほど
小さな声でそう呟くと
冬獅郎はおもむろに

から背を向けて立った



伏せた眼をゆっくりと開いて
見上げた先は



十番隊隊舎五階




窓辺に居た全員が
冬獅郎の怒気に満ちた視線に


凍りついた




「お前ら…暫くそのまま…凍ってろ!!!」



間髪入れず、振り下ろされた刃は
水と氷の大きな竜を
有無を言わさず、隊舎に向け飛ばす

が氷輪丸を眼で追って
振り返った時

その眼に映るのは
丸ごと凍りついた十番隊隊舎だった




「と、冬獅郎さん?!?」


「この方が今の景色にも合うだろ」



隊舎から、目線を外して答える冬獅郎の声は
溜息混じりだが、とても穏やかだった


に背を向けて
冬獅郎は暫く何も言わず
空を見上げていたが





!」





大きな声で名を呼び
振り向きざまに冬獅郎は

向かって何かを投げた



「はい?…えっ?あっ!」


降り注ぐ氷の霧に紛れながら
一際光輝く物が弧を描く

は慌ててそれを
両手の中に受け止めた



冷たい大気の中で
ずっと冬獅郎の掌で握られていたそれは
とても熱く感じて

は不思議そうにゆっくりと
掌を広げた





「……!冬獅郎さん、これ…」


にやる」



ぶっきらぼうに言い放ち
冬獅郎はまた背を向けて
氷輪丸を鞘に収める



は先ほどより
ずっと熱くなった胸に掌を重ねて

その背中を見詰める




の掌の中では

冬獅郎の熱を守ったまま
細い鎖を連れた
銀色の小さな羽根達が


大きな翼を広げていた





「慣れねぇ事するのに、時間が掛かった。
少ししか傍に居てやれなくて…悪かった」



は胸が一杯で
首を振る事しか出来なかった




冬獅郎はこの時間まで
何を贈ろうかと、迷って過ごしたのでは無かった


恥ずかしさを隠し
乱雑にへと放り投げた物は


冬獅郎がその手で作り上げた
銀細工だった


少々歪なその形は
凰華の羽根を広げた物と
冬獅郎の卍解で背負う翼を

足して二で割った様だ、と言っておこう


初めてにしては上出来だ



「そんな物で、お前が喜ぶか分からねえが
俺の心はいつだって、お前の傍に居るから
…って泣くなよ!!」



黙り込む背後のが、心配になって
振り返る冬獅郎はぎょっとする





「だって…冬獅郎さんが…」


「でかくなったら、また何か別のお前が気にいるのを
買ってやるから、そんな顔するなよ」


「違うの!違うんです…あの、わたくし
嬉しくて…ほんとに嬉しくて」




は大きく首を振って
大粒の泪を拭いながら

戸惑う冬獅郎にむけ、幸せ溢れる笑みを零す





「うまれて来てよかった…ずっと大切にします。
ありがとう、冬獅郎さん」






君生まれし事を


いつだって、他の誰より
一番有り難く

感じる自分で居られる様に




今日だけは
見えない何かのチカラに、心から願う





「…ほら、貸せよ」



鎖の金具を解くのに
梃子摺るを見かねて、冬獅郎は
手を差し伸べた



じっと座るの後ろで
冬獅郎は器用に鎖を広げ

静かにの首へとかけて、とめる


の首筋にひんやりとした
感覚が触れた



胸元に揺れる銀の翼は
冬獅郎の心を運ぶ様で、
とても嬉しかった



「こんなに沢山の幸せを、どうすれば
冬獅郎さんにお返し出来るかしら」



そう言って、振り向こうとした
の胸元の翼が

ふわりと空に浮かぶ



「冬獅郎さん…?」


「…んな物、いらねーよ…」



冬獅郎の声が
の耳から一番近くで聞こえた

聴覚と同時に、背中が包み込まれた
温かさを感じる



「俺は…お前が居れば、それだけでいい」



「冬獅郎さん……」



後ろからきつく抱き締める
冬獅郎の腕が
言葉よりも、多くの想いを伝えている



本当は


待って居るより


待たせるほうが





ずっと辛いのかもしれない




「来年の今日も、冬獅郎さんの帰り
ちゃんと待ってますから」



「…ああ」



ただ君を護る為に

帰る場所から離れ




ただあなたを待ちわびて

帰る場所を護る



どうか離れていても
心だけはいつだって傍にと

互いに祈りながら、二人



輝く白い息を重ねる




甘い時を惜しむように
日付を変える鐘の音が、冷たい夜空に響く



「帰るか、

「ええ」



は凰華を収めて、冬獅郎の後を
ゆっくり歩く


そんな何気ない時間さえも
特別に思えた



こうしてと冬獅郎の
一年で、一番幸せな日が過ぎる




の穏やかな音息を聞きながら
冬獅郎は思う



…何か忘れてる気がしたが―



気のせいだと思い直して
と共に、穏やかな眠りについた






しかし翌朝、隊舎の前で冬獅郎は




死神溢れる地獄絵図を、見る事となる









「ちょっと誰か何とかしなさいよ、寒いって」



分厚い氷の壁に包まれた
隊舎の窓は
内部の気温さえも氷点下にさせる

冬獅郎の刺した視線とこの寒さに
すっかり酔いの醒めた乱菊は
凍りついた扉を蹴っていた



「京楽隊長、斬魄刀は?!」


誰より涼しい格好の檜佐木は
すこぶる顔色が悪い


「酒飲みに来て、持ってるわけ無いでしょ〜」



手に持った徳利の酒が
すっかり無くなった京楽は
情け無い事に泣きが入っている




「総隊長はどこじゃ?!」



射場の声は寒さに震えて
いつもの切れは、微塵も感じられない



「一番先に…狛村隊長と帰りました」



イヅルは半ば意識朦朧で
今にも死にそうだ



「オイ、何でこんな鬼道使えねぇ奴ばっかなんだ?!」

「馬鹿ばっかりだからよ…」



弓親には、誰より一番頭が寒そうな一角が
誰より一番、元気そうに見えた



『一』ばかりでよかったね…一角


そう思いながら眠りかけ
三途の川が過ぎったが

思い切り、一角に頭をぶたれ
また目を覚ます



「うぉおい!浮竹隊長が血ィ吐いたー!!」


喧嘩を始めた一角と弓親の隣で
まるで恋次の髪の様に、白く凍る床に

鮮血が散る



…お前を見届けるまで俺は…死なんぞ!!」



胸を押さえながらも、一人趣旨の違う浮竹が
窓辺に向かって立ち上がった


血に染まる掌をかざし、叫ぶ




「君臨者よ! 血肉の仮面・万象・羽搏き…ごほっ、ヒトの名を冠す者よ!
真理と節制 …げほげほっ!罪知らぬ夢の壁に
ごほっ!僅かに爪を立てよ!!げほげほげほっっ!!」




唯一の希望となるべく
皆の熱い視線に
どんなに咳き込もうが、隊長として

詠唱を止めるわけにはいかない




「破道の三十三、蒼火墜!!!」



詠唱を破棄せず、隊長格の放つ炎は
さすがに破壊力が有る



「おお!さすが腐っても隊長!」

「…おいおい、腐ってるは余計だ…」



轟音と共に
硝子ごと氷は砕けて
鮮やかに地に落ちて行く


「よし!!脱出するぞ!」


こぶしを握り締めて飛び出した
浮竹の声が、闇に消えた


「ここ五階っスよ?!…いや、まぁいいか外に出れるなら」


「俺の腕の感覚が無くなる前に、早く行け阿散井!」


「宴会はお開きだ!帰るぜ弓親!」



そう言って次々と飛び出した
恋次と檜佐木と一角
一角に掴まれて一緒に落ちた
弓親の声も消える



「あいつら…嫌に静かねぇ。…ん?おわっ!!」

嫌な予感がして、窓の外を
覗きこんだ乱菊が
凍った床に、足を滑らせた


「いけん、松本落ちるぞ!!うおっっ」


助けに走った射場は
寸での所で、乱菊の手首を掴んだが
そこら中が氷だらけのこの部屋で


どこを支えに持っても、滑るものは滑る


乱菊と共に、落ちそうになった射場が
思わず掴んだのは、イヅルの袴


「い、射場副隊長?!危ない、うわぁああっっ」



乱菊、射場と共に窓の外へ
飛び出す寸前に、イヅルが救いを求めて
掴んだのは、京楽の着物だが

袖を通して居ない派手な模様は
むなしくひらりと宙を舞う



「ん?吉良、どうしたァ?」



京楽が見下ろした窓の下では


最初に落ちて砕けたせいで
尖った氷塊の山に刺さった為か
吐血なのか解らないが

血に染まる浮竹らしき白い髪と


降り積もった細氷で
凍り付いた地面に滑り
着地に失敗したと思われる若者数名

その上に落ち、目を回す副隊長三名が
折り重なるように倒れている



「…さて、ぼくは七緒ちゃんが
探しに来るのを、おとなしくまってるとするかな」




そう言った京楽だが
この後救出に来た七緒に
暫く消えない跡が残るほど、強くぶたれたのは


下で呻く集団も知らない








朝日を浴びて氷が解ける頃

は、胸元で光る
銀色の翼を揺らしながら

冬獅郎に手を振って、笑顔で隊へと送り出す

こうしてまた
前途多難な冬獅郎の一日が


今日も賑やかに始まる














  

2006年初更新が、お笑いです。
この先が思いやられます(汗)
こんなに長いのを、最後まで読んで下さって
ありがとうございました。
今年も頑張ります!

スランプを支え続けてくれた
華江ちゃんに捧ぐ
HAPPY BIRTHDAY!

2006.01.15
十番隊隊主室 一片でした




君生まれし事を