が護廷十三隊総隊長の
天井に大きな穴を開け飛び立ったあの翌日





斬魂刀及び霊力の無断開放

死神では無いの魂の導き




本来なら重く咎められるその罪は、
夜一と浦原、そして総隊長の進言も有り

中央四十六室で罪に問われる事は無かった




変わりに、王族より下された決定は



がチカラを制御できるまでの

斬魂刀『凰華』の封印と


王族と貴族の橋渡し役を担うと言う事。




母の残した王族の血と
天賜兵装番 四楓院家の血がもたらした、


のその特殊な能力を




瀞霊廷王族側は
利用しようとしていたのかもしれない。





城を、一族を護るために利用され続けた現世での




転生し尚、同じ役目に着く事となる





しかし今のには、そんな事さえ
幸せと感じられた。






幾度の年月がかかっても

再び出会う大切な人へ






今度は自分が道標となる為に








与えられた役割を担いながら


は夜一と共に
己を高め己を磨く事に

身を投じる日々を過ごしていた。









いつものように、王族の謁見を済ませ
鍛錬をするの元へ


夜一が気配を消して近づいた




「…?夜一お姉様?」




かすかに姉を感じたは、振り向き
そのいつもと違う姉の雰囲気にはっとする






「…鬼道もお前には通じなくなったか。成長したな。」




「まだまだお姉様にはかないませんわ。」





少し淋しそうな瞳で笑う姉の表情に違和感を感じ
は不安になった。





「…お姉様…。何か在ったのですか…?」





「……聞かずとも、明日にはお前の耳に入る。
今日は…お前の顔を見に来ただけじゃ。」





姉がこんなカオを自分に見せる意味に
は姉との別れを
心のどこかで予感した






、斬魂刀をこちらに。」





腕を差し出す姉には、言われるまま、帯に挟んだ短刀を差し出す








夜一はから斬魂刀を受け取ると

掌の上にそれを乗せ、鞘にきつく捲かれた紺色の紐に

二本の指先をそこに突き立て



静かに呟いた





     


「………解……」











その言葉と共に、捲かれた紐は
するりと解け地に落ちる






「今のお前なら扱える。何かを得たいのなら…怠るな。」



姉はそう言って再び
短刀を渡す




「お姉様…。ありがとうございます。」





姉の気高いその凛とした姿に
少しだけ見とれながら





の予感した姉との別れは

確信へと変わる








いつもなら姉と共に、居るはずの浦原が









そこに居ない










切なさが産まれた心を隠す妹に

姉は子供の頃と変わらず、乱暴にの頭を
くしゃっと撫でながら



別れの時を惜しむ様に優しく告げる





「もう行かねばならん。…。お前は自由に生きろ。」




姉は、その身を想い、妹を諭し






胸元から何かを取り出し、に預ける



「これをお前にやる。取っておけ。」




は四楓院家の紋が入った包みを
受け取った



「ありがとう…お姉様。わたくしは大丈夫ですわ。」






夜一は目を伏せ穏やかに告げる





「……。すまぬな。」






「…お姉様…。」





背を向けたその表情が掴めなくとも
心を包む姉の優しさに








もまた、姉の気持ちを想う







大切な者を護るため


大切な者と共に生きる道を





姉もまた選んだと言う事







はあなたの妹に産まれて幸せです



どうか無事で



どうか幸せに。






いつかまた…鳥と猫になって


一緒に笑って下さいますよね?









駆け出した夜一は、振り返って叫んだ





、一つ言い忘れておった!」





「わしが帰ったら、お前の想う相手の面、
しかと拝んでやるから、覚悟しておけよ!」







「まあっ!お姉様ったら…。」







心を掠めた淋しさを、和らげる

悪戯な笑顔を残して


姉は姿を消した

と夜一の遠い別離           










                 


3行で終わらすハズの話がこんなに長くなりました。   
日番谷君が出てこないまま、次回はさらに
浮竹さん重視で進めます。
裏サイトを公開しておきながら     
十番隊隊主室への道は長いです。       






姉との別離