は俺の数歩後ろを
ゆっくりと歩く。

時々俺は、後ろを振り返る



が居なくなってたら?





……困る。…と。




何故は、俺の後を歩くのだろう。

許婚と言うより、俺を隊長として
立てて歩く副隊長の様だ。



はたまた


…並んで歩く身長を気遣って


後ろを歩いていてくれるのか‥。




俺が立ち止まると、

数歩後から立ち止まる



不思議そうに俺をみつめ

は問う




「冬獅朗さん?いかがなさいましたの?」




「なあ、。俺は別に、
 女は三歩下がって俺の後ろを歩け!
 なんて、思っては無いぜ?」



「…?あら、ごめんなさい。わたくし
 そんな大切な気遣いを
 考えずに居ましたわ。大変!」


慌てた様子で困った顔になる
の回答が、

俺にはよく解らなかった。



「いや、俺はそうしろなんて、お前には
 言わないって事だぞ?」



そう言い直す俺を見た

自分が答えた言葉の間違いに

ようやく気が付いたらしく、


わずかにはっとした後



笑みを
緩やかにこちらに向ける。



「冬獅朗さん、ごめんなさい。わたくし
 そう考えて後ろを歩いているのでは無いの。」






(…やっぱりあれか。)





俺は心の中でがっくりと肩を落とす。



と再会してから
自分の中では大きく成長した
つもりで居たが…


どうしても埋まらない穴に

嘆きを覚える。




「冬獅郎さん?」



「…いや、解ってるからそれ以上
 …言うな…。」


そう言う俺に、

ふるふると細い首を振り、




「わたくし、冬獅郎さんの
 背中を眺めるのが、好きなのですわ。」



はにっこりと答える



「…。背中を?」



俺の背中を眺めるのが好き?


隊主だけが着る事を
許されたこの羽織

これのお陰で、少しは
大きく見えてるのだろうか




それとも。




「…十番隊っつー隊長の名を
 …俺が背負ってるからか?」



自分が考えられるの
言葉の意味がただ

それだけだったが…

にはどうか
後者の問いには
賛同せずにと

願いたい




「まあ!冬獅朗さんたら。違いますわよ。」



驚きながら、
少し恥ずかしそうに笑って
こう続けた。




俺の背中はにとって

 護り、
 
 支え、

 深い愛情で包みこみ

 暖かく

 とても大きく見え



 ひどく…

…安心するのだそうだ。





「…ばかやろう…。お前は…」



思わぬの深い深い
数歩の距離に

俺はそれ以上言葉を続ける事が
出来なかった




「それから…
 冬獅郎さんはわたくしを気遣って、
 振り返り、笑って下さいますでしょう?」



は言う



それがたまらなく
嬉しいのだと。



それならずっと



俺の背中を見て歩いてろ。



溢れる想いを
大きな力に換えて行こう


共に歩き

俺の背中を


誰よりも大きな背中に

見える様に



憚る者が居たならば

迎え撃ち負かす
大きな壁になれる様に



を護るこの背中の為に


俺は今より強く有ろう





そうして俺は
時々振り返って


の声を聞こう


俺の名を呼ぶ
おまえに



俺の安心を預けよう



「…冬獅郎さん」


そうしてまた

は俺に微笑む



想いがまた、俺に溢れ出でる


それは、決して満ちる事は無く
いつまでも



ずっと。


「いくぞ。」




取り分けて垂らした前髪が
春風に揺れる

「はい。冬獅郎さん」

の声を数歩前の背中で聞きながら。



俺はまた、前へと進む




いつもより
しゃんと

背筋を伸ばしながら
























            




日番谷君復活NOVELすっ飛ばしたまま、
懲りずに再開後をまた先にup
愛が有っても文章力の足りなさを痛感・・








数歩下がって